制度を使う前に考えたい、仕事と介護の本当の話①制度を使えばなんとかなる?

兵庫県で活動している、産業ケアマネの片岡です。

「介護が始まったら、制度を使えばいい」そう思っていませんか?

確かに、介護休業や休暇など、両立を支える制度を活用する環境整備が推進されつつあります。
けれど、制度を使って休んだら、解決するのでしょうか。

「介護休業は93日。それで足りる?」
「制度を利用して休んでみたものの、職場復帰できるだろうか。」
「このまま、仕事を辞めることになってしまうのではないか」

制度はあっても、本当に両立できるのか。
そんな不安に、社内で明確に答えられる人は、どのくらいいるでしょうか。

制度は“解決”ではなく“手段”

制度は本来、働き続けるための「調整手段」です。
ですが実際には、「制度活用=とりあえず休む」という形になりがちです。

もちろん、休むことが必要な場面もあります。
ただ、それが最適な選択かどうかは、本来もっと丁寧に考えられるべきものです。

制度を使うこと自体がゴールになってしまうと、その先の働き方や復帰の形まで見通せなくなってしまいます。

“分からなさ”が判断を難しくする

なぜこうしたことが起きるのか。
その背景には、介護の「分かりにくさ」があります。

どれくらい手がかかるのか
どんな支援が使えるのか
この状況がいつまで続くのか

こうした全体像が見えない中で、働きながらどう介護に関わるかを判断するのは簡単ではありません。

だからこそ、従業員だけでなく会社側も、「まずは休む」という選択にたどり着きやすくなります。

実は、職場側も介護を分かっている人は少ない

この問題は、個人だけのものではありません。

上司も、人事も、介護について具体的に理解しているとは限らない。
結果として、判断がその場しのぎになったり、個人任せになったりします。

いわば、「分からない人同士で、分からないまま判断している状態」です。
これでは、制度をうまく活かすことは難しくなります。

本当に必要なのは“前提を整えること”

制度を使うかどうかの前に、まず必要なのは「介護の状況と仕事に与える影響を正しく捉えること」です。

介護の状況と、仕事の状況。
その両方を整理した上で、どう関わるかを考える。

そのプロセスがあってはじめて、制度は“活きる手段”になります。

そして実は、ここにこそ専門性が必要です。
介護の実態と、働き方の両方を踏まえて整理できる存在がいるかどうかで、選択の質は大きく変わります。

制度があるかどうかではなく、それをどう使うか。

両立の分かれ道は、そこにあるのかもしれません。

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