公平と平等のジレンマ④「配慮」を「インフラ」へ ―― 誰もが当事者になれる組織
兵庫県で活動する産業ケアマネの片岡です。
ここまで、職場の「公平」と「平等」のジレンマについて考えてきました。
現場を支える側が疲弊していく……。
現場で調整役として「答えの出ない問い」にぶつかり続けてきた私が、もしあれば嬉しかった働き方。
それは、「理由」で人を分けることをやめ、働き方の柔軟さを全社員の選択肢に広げることです。
「理由」で人を分けないという選択
「介護だから休む」「育児だから時短ができる」といった、理由に基づいた配慮。
これが不平等感を生む種となっていました。
であれば、その「柔軟な働き方」を、いっそ全社員の選択肢に広げてみる。
公平と平等のバランスを取るための最適解ではないでしょうか。
・スキルアップのため
・趣味やリフレッシュのため
・通院や家族との時間のため
理由が何であれ、誰もが自分の人生を大切にするために働き方を調整できる。
そうなれば、介護中の人は「特別扱いされている」という申し訳なさから解放され、支える側も「自分もこの仕組みに守られている」という納得感を持てるのではないでしょうか。
調整役が「特別扱い」をせずに済む環境とは
理由に関わらず働き方が選べるようになると、現場で采配を振るう「調整役」も救われます。
「あの人だけ特別に……」と周りに気を遣い、顔色を伺いながら背中を押す必要がなくなるからです。
誰もが等しく権利として働き方を選べる前提があるだけで、職場全体の「心のトゲ」は圧倒的に無くなるのではないでしょうか。
構造の壁と、避けて通れない「現実」
もちろん、これを実現しようと思えば、今の日本の雇用制度には多くの課題が立ちはだかっています。
正規・非正規の待遇差、社会保険の仕組み、そして「長時間労働」を前提とした評価体系……。
越えなければならない壁は、驚くほど多岐にわたります。
しかし、目をそらすことができない現実があります。
超高齢社会が進むこれからの日本において、「仕事に全集中し、無条件に誰かを支え続けられる人財」は、今後圧倒的に減少していくということです。
「問い」の先にある、しなやかな職場とは
もはや、特定の誰かに重荷を背負わせる「現場の精神論」だけでは、組織も社会も維持できません。
制度の限界を理由に立ち止まるのではなく、「どうすれば誰もが当事者として働き続けられるか」を、現場と経営者が手を取り合って模索し続ける必要があります。
「理由で人を分けない。そして、理由なく自分を大切にできる」
これは理想?桃源郷?「そんなことできりゃ苦労しないよ!」なんて声も聞こえてきそうです…。
でも、答えは一つではないかもしれません。
それでも私は、専門家として、そしてかつて現場で立ち尽くした一人として、この問いに向き合い続けたいです。
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私、産業ケアマネ 片岡 は
主に兵庫県の企業様を対象に「仕事と介護の両立支援明石事務所」を運営しています。
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